特定調停と任意整理

特定調停と任意整理

借金問題の解決方法には、特定調停と任意整理という二種類が大きく分けてあります。

 

任意整理は弁護士や司法書士が債務者の代理となって各債権者と交渉を行い、債務の弁済を可能な範囲にしていく私的な整理方法で、特定調停は、裁判所が仲裁役となって債務者と各債権者との和解の成立を支援する公的な手続です。

 

特定調停も任意整理も債権者は取立を行うことが法律上できなくなります。任意整理の場合は弁護士や司法書士に依頼すると、必要な書類を送付してくれるので直ちに取立が止まりますが、特定調停においては、実際に裁判所に申立が行われなければ、取立は止まりません。特定調停の申立には、特定調停申立書や関係権利者一覧表、財産の状況を示す明細書などの各種書類の準備が必要で、取立の停止までにはかなりの時間が必要です。

 

特定調停では合意が成立すると調停調書という書面を裁判所が作成し、債権者との合意した内容が守られているのかどうかを管理されます。調停調書の内容どおりの弁済が行われなかった場合、債権者は給料差押え等の強制執行を行うことが法的に可能です。一方の任意整理では、債権者と合意ができた場合は和解書という書面を作成しますが、これによる法的効力はほとんどありません。

 

任意整理の場合には、専門家が代理人として交渉・手続を全て行いますから、時間や手間がかかりませんが、特定調停の場合には、基本的には本人が各債権者と交渉を進めていく必要があり、心身ともに負担が大きいと言われています。合意が成立するまでには数ヵ月かかることも珍しくなく、平時の仕事もままならないような忙しさの中で調停の手続きを進めなければなりません。